上田規代「同級生」
かわいい系の久保は、テニス部の西崎先輩が大好き。ところがクラスメイトの朝倉にはしゃいだ様子を冷たく突っ込まれて以来、朝倉のことが大嫌いになり、部活も休みがちになっている。西崎先輩から部活に出るように勧められるが、それは朝倉が手を回したためだった。部活でなにかと気を回す朝倉をうざったく感じる久保だが、いつも目が合うので次第に気になっていく。そして西崎先輩が「男を好きになるなんてあり得ない」と言っているのを聞いてしまう。上田規代2冊目の単行本。
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かわいい男の子をかわいく描くのは、実は結構難しかったりします。「かわいい」に重点を置きすぎると性別受になってしまいますし、「男の子」に重点を置きすぎるとやんちゃショタになってしまいます。高校生くらいの微妙なお年頃のかわいさを描き出すのはもっと難しいものです。だいぶ大人になってきていますから。ところが上田規代の描く男の子は、ちゃんとかわいいんですね。第二次性徴を迎えて、身長も伸びていて(それでも周りより小さいですが)、リアルな男らしさも持っているんですが。この久保がかわいいんですよ。見た目がかわいいだけでなく、高校生が持っていそうな意地と、もう少し子どもっぽい無邪気さ、そして目覚めはじめた恋心が同居しているんですから。これはもうソノ気がなくてもかいぐりしたくなります。
かわいい系の絵柄は、時としてかわいさが突っ走ってヘンテコになってしまったりします。最近の山本小鉄子がいい例ですね(かわいい極道というのもギャップの楽しみがありますが)。ですがこの人の絵にはちゃんと男性が住んでいます。それになんといっても清楚なんですね。純粋にキレイさかわいさを楽しむことができます。紺野キタや穂波ゆきねも同じスキルを持っていますが、上田の清楚さは決して負けるものではありません。
そしてお話もこれから伸びる可能性を感じさせます。男の「抑制」や「複雑さ」を分かっているんですね。かわいい高校生は自分の恋心に戸惑います。リーマンは次の一歩を踏み出していいものかどうか迷います。展開は一筋縄では行かず、二転三転します。この迷い方がいいんですよ! で、最後はハッピーエンドになる。これこれ。最後にもたらされる安心感こそボーイズなラブのキモですよ。
このところ多士済々、個性のかたまりみたいなニューウェーブばっかり読んでいたので、オーソドックスなボーイズラブはもう読めなくなっているかな、と思っていたのです。ところが実際読んでみると、こういうのもたまんなくいいですなあ。正統派の、綺麗な絵の作品は萌えが違いますし、お話もいいですから。三浦しをん先生ご推薦というのもよく分かります。今後の成長が楽しみな作家です。
大洋図書
2007年10月10日発行
2007年11月15日購入
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コメント
お久しぶりです。詞の音管理人高坂です(じゅらからHNを変えました^^;)
TBありがとうございました、最近ブログをほったらかしにしていて久しぶりに貰ったTBを同時期に来ていた300件ほどのスパムTBと一緒にどうやら削除してしまったようです。せっかく送ってもらったのに申し訳ありません。
上田さんの描く漫画私これが始めてでしたけどもほんと正統派BLと言う感じでキャラの年齢が低かったからと言うのもあるのかもしれませんがどのお話もすごく可愛くて、微笑ましくて良かったデス。
TBもしもよろしければもう一度送ってください、よろしくお願いします。
ではまた!
投稿: 高坂樹 | 2007年12月23日 (日) 16時00分
>高坂さん
コメントありがとうございます。ほほえましさ、かわいさをきちんと描くのも、実は才能が必要なんだと思います。この作家さんはその才能に恵まれてると思いますね。これからも追っかけて行きたいと思っています。
TB張り直しておきました。ご確認ください。
投稿: たいまつ | 2007年12月23日 (日) 21時39分