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2009年6月 5日 (金)

「日米腐女子座談会」に参加する

 去る5月17日には、ガンホーの「がる☆パラ!」編集部主催で開かれた、「日米腐女子座談会」に参加してきました。アメリカDigital Manga社のツアー「Fujoshi Paradise」の参加者と座談会をしようというのです。腐女子ツアーがあることは、以前の報道で知っていましたが、まさかその人たちと会えるとは。それにここでの縁をきっかけに、ゆくゆくは「世界腐女子サミット」を開きたいという希望もあるとか。これは行かないわけにはいかないじゃないですか! なお、すでに「Impress Watch」と「マイコミジャーナル」に記事が掲載されているので、そちらも参照してみてください。

http://bb.watch.impress.co.jp/docs/special/20090521_169687.html
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/05/24/fujyoshi/index.html

 参加した海外腐女子は全部で10名。国籍はアメリカ、カナダ、オーストラリアと多彩です。まず私が「結婚していて娘もいるんですが腐男子です」「娘もイケメンが大好きです」と自己紹介すると、ちょっとウケましたね。
 最初は話が弾まないんじゃないかと不安でしたが、皆さんとても積極的です。向こうでは、自分が好きなことを黙っているのはもったいないという風潮がありますし、自分の趣味に誇りを持っている人が多いです。なんといっても2200ドルのツアーに参加できる人です。収入も能力も高い人ですし、腐女子としての熱意も高いわけです。言葉の壁こそありますが、かなり盛り上がったのでした。

 どんなことをしゃべったかは、「がる☆パラ!」にもコラムを書いたので、そちらに書いてないことを書きますね。
 まず「なぜBLが好き?」という質問には、「多様な攻と受のリレーションシップがあるから」という答えが返ってきました。関係性に萌えるというのは、BL萌えの定説となっていますが、これは洋の東西を問わないんですね。それからハードコアが好きか、ソフトコアが好きかも様々です。これもまた日本と同じです。
 大きく違うのは、まず「BL」という言葉の使い方ですね。ボーイズラブというとこちらでは一般名詞化していますが、向こうではペドフィリアに見えるとか。いたいけなちっちゃいボーイをラブするわけですからねえ。そりゃ私の大好物じゃん! と思いますが、もし現実にあったらと考えると、かなりヤバいわけですからね。
 そしてなんといっても違うのは、同人誌のあり方です。彼女らがまんだらけなどに行って、まず買うのは同人誌です。そのため綿密なリストを作ってきた方もいました。向こうでは著作権のため、原作キャラクターを使ったマンガの形での二次創作はあり得ません。もちろん仲間内レベルのものはあるのでしょうが、大規模に印刷して売るなんてことは考えられないんだそうです。同人誌はありますが、小説が中心で、ヤオイコンなどの大規模なイベントでないと手に入らないんだそうです。では萌えが来たときにはどうするかといえば、ファンフィクを書いてウェブに発表するんだそうで。萌える気持ちは日本も海外も一緒ですが、その表現の方法は随分違います。そして日本が特殊な状況にあることを改めて思い知らされますね。確かに日本の同人誌って、著作権の観点からするとアレですもんね。ただ大規模な二次創作の存在が、日本を世界に冠たるおたくの国、やおいの国にしているのも事実です。グローバル化された世界の中で、日本文化が独自の位置を保っていくためには、この日本のあり方をどうグローバルスタンダードの中に位置づけていくかが大切なんだな、と思いましたね。
 もう少し直接話したかったですねー。スキャンスレーションやファンサブの話とか、ゲイカルチャーとどれだけ関係があるのか、いろいろ聞いてみたかったんですが。まあこれは、私の方で直接向こうの人たちに人脈を広げていけばいいかと思いますね。

 強く感じたのは、向こうの腐女子たちの激しい飢えでしたね。マンガはまだ翻訳されている方ですが、ゲームやCDなどの関連商品はほとんどありません。翻訳が大変ですからね。ネットで情報だけは手に入りますが、現物はなかなか手に入らないのです。80年代初頭の日本のおたくを思い出しましたね。あの頃のおたくは、アニメやマンガの情報、関連商品にものすごーーーーーっっっく飢えてましたから。今の海外腐女子たちは、なまじ情報がある分、生殺し状態なわけです。日本ではアニメファンたちの飢えが、アニメブームの爆発と、おたくという人々の形成につながるわけですが、今の海外腐女子たちの状況は、それに非常に近いと思いましたね。アメリカでも腐女子マーケットはまだ非常に小さいと言っていましたが、その情熱はすごいです。これは大きなビジネスチャンスかもしれません。

 BLは国産率のかなり高い文化です。もちろん竹宮・萩尾から初期JUNEに至る、ヨーロッパ趣味はありました。外タレ萌えもベースの一つです。ですがその後の展開は、ほぼ日本独自のものなんじゃないでしょうか。そしてBLは、世界における日本の支配率が非常に高い文化です。確かに最近では、ヨーロッパ諸国やアメリカ、アジアでもBL本が作られるようになってきていますが、内容的にまだ日本の模倣の域を出ていません。海外腐女子はみんな日本を目指します。それは日本こそBLの総本山であり、豊富にBLがあるのは日本だけだからです。
 これまた非常に重要なことだと思いませんか? 私たちが普段ニヤニヤしながら萌えて読んでいるBLは、世界の中では日本が圧倒的に優勢で、そして世界中の女子たちを動かす可能性を持っているのです。もちろんディズニーやハリウッドのように、大衆レベルの人々を一度に動かす力まではないのでしょうが、<世界中>というところがポイントです。日本における市場の動向やコンテンツの作成状況は、実は世界中に影響力を持っていますし、世界の腐女子市場を牽引しているのですね。
 これはぼやぼやしてはいられないぞ、BLに愛がない人たちに刈られてしまう前に、世界を見据えた、戦略的な行動が必要になってくるな…と思いましたね。

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