今日は丸一日原稿のために空けた日です。昨日録画しておいたフジテレビNONFIX「腐女子ノ先ニアルモノ」が撮れてるか確認してみたのですが…そのまま見入ってしまいましたよ。産まれたばかりの娘と一緒に。
まず用語の間違いが気になりましたね。「やおい」がオリジナルで「BL」がパロ。「耽美」の説明はヨーロッパの芸術運動ってやってましたね。あ
と「BLとアニメは関係ない」とも。それって…。そもそもオリジナルがBL、パロがやおいという区分自体私は疑問を感じてるんですが、文献で示されている
定義と真逆ってのはどうなんでしょ。この時点で「ろくに下調べしてない」ことが感じられましたね。
男子校カフェ「エーデルシュタイン」オープンまでのルポは面白かったですね。徹底的にウェイターを仕込んで、内装にも凝って、現実の入り込まな
い空間を作り出す。「SwallowTail」で確立されたノウハウなんでしょうが、それにしてもそういう空間を作り出そうとすること自体はすっごく楽し
いでしょうね。酒巻絵美子が仕事にのめり込むのも分かるというものです。ただ彼女に対するディレクターの質問がすごく失礼。彼氏なんていないに違いないと
思ってたようなんですね。思いこみをきっかけに取材をするのはよくあることなんですが、それにしてもちったあ下調べしろよと。
基本的に取材している側が、現在のジェンダーのあり方に何一つ疑問を持っていないところが気になりましたね。「女性はこう生きるものだろう」
「恋愛して結婚するものだろう」という思いこみがあって、そこから逸脱する存在として「腐女子」を設定しているのですね。逢月ゆうやしかり、酒巻絵美子し
かり、既婚者の方しかり。既婚者の方のパートナーが「あなたたちそんなように腐女子を調べて楽しいですか」と取材している側につっこんでましたが、それも
道理。メディアバイアスやら現在のジェンダーのあり方にまったく無自覚で、「分からないことを取材して何が悪いの?」という取材姿勢でしたから。結局「腐
女子は今までの女性のあり方に満足しない新しい生き方の表れである」というようにまとめていますが、そのまとめも既存のジェンダーの枠組みから見たらこう
なるというもので、彼女らが持っている現状を動かす力を理解しているとはいえません。
そもそも取材する側が、既存の枠組みにとらわれていること自体理解していなかったようなんですね。女性は恋愛するもの。仕事か結婚を選ぶもの。そうした
ことを当たり前のものだと思っていて、それ以外の選択肢があること自体考えが及ばないようなんですね。最後にちょろっとボーボワールとか出してますけど、
おまえそれいつの話だって。そんなもんで結局取り上げた人たちのことを何一つ理解できていなかったように思います。今までの女性の生き方とは違うことは分
かるが、彼女らが何を求めているかを理解できずじまいだったようなのですね。なので当然つっこんだ取材にはならず、時代は変わったね、で終わりになってし
まっています。これじゃあねえ…。
やっぱり感じたのは、「腐女子であることはすぐれてジェンダーの問題である」ことと、「それは男性にも無縁ではない」ことでしたね。そして
「ジェンダーの問題があること自体に気づいていない人がいる」ことも。そういう人に対しても語りかけて行かなきゃならないんだな、と思いましたね。
とまあ、つっこみ所の多い番組でしたが、最大のつっこみ所は
「取材者が最初に買ったBLマンガは九州男児かよ!」
でしょうか。
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