北別府ニカ「すくすく好き好き」
智は年齢の割にはちっちゃく、かわいい感じの高校生。隣に住む双子の一郎、二郎兄弟とずっと幼なじみで、朝食を一緒に食べたりする仲。一郎と智はひょんなきっかけで「かきっこ」をする仲になっていたが、その関係に智は迷っている。好きじゃなかったらこんなことしないだろうと。自分は一郎のことを好きになっているのに、それを一郎に問いかけると、いつもはぐらかされてしまう。バイト先で飲まされてしまい、酔って抱きついた相手は二郎だった。関係がばれるのではと焦る智だが、二郎にはすっかりバレバレ。どうして両思いなのにちゃんと告白しないのか、と諭されてしまう。智と一郎の恋と、恋愛にはうとかった二郎の恋を描いたシリーズを含む短編集。
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いやーめでたいめでたい、二冊目の単行本です。北別府ニカといえばメガネ、というイメージがありますが、この作品は意外とそんなことはなく、メガネなしのキャラが多いです。唯一の眼鏡キャラとして「忠犬攻」ってキャラクターが出てきますけど。
メガネがないからフェチ度が足りない…と思えるかもしれません。ですがこの作品には別の魅力があります。登場する男たちが実に「男性」らしいんですよ。まあ受の人は細ナヨって人もいるんですが、攻は基本的にちゃんとした肉付きの男性です。一郎も二郎も190近いですし、顔つきも体格もしっかりしています。しっかり「縦に伸びてる」感じですし、すくすく育っていますし、男性的な魅力を漂わせています。そういうリアルな男性がフォーリンラブしたりがっちゅんしたりするのですから…これは生々しくてキク!
そして彼らは実に高校生っぽい、大学生っぽい雰囲気を漂わせています。将来に悩んだり、授業のつまんなさにだるさを感じたり、サークル活動をしたり。もちろんハイティーンから20代前半の若者の姿をリアルに描いたBLはこれまでも存在しましたが、北別府ニカの作品は生々しさの点で一歩抜けた感があります。若者を本当によく観察していることが分かりますし、そして若者のかわいさをよく見抜いていることも分かります。
男性からすると、男の子の可愛さや男の体の魅力は、若者であるうちはよく分からなかったりします。自分自身若者なので、相対化して見ることができないんですね。ところが若者とはいえない年齢になってくると、次第に若者をいやらしい視線で見ることのよさが分かってきます。自分が若さを失いつつあることが分かるために、若者の体が性的魅力を持っていることが分かってくるのです。そこでこういうちゃんと育った若者ですから…つい「げへへへへ」という下品な笑みがこぼれてしまいます。男の体のエロさがわかると、世の中なんでもエロく見えるので、楽しいことこの上ないですよ。
幻冬舎
2008年3月24日発売
2008年3月28日購入
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