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中学生日記「僕たちオトコの子!?」

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 教育放送の名を借りて、実はバリバリアヴァンギャルドなNHK教育。たまたまつけていたら「中学生日記」がやってくれました。タイトルは「僕たちオトコの子?」。

 とある中学校で、お調子者の男の子たちが、女の子の制服を着てウケを狙うことがはやっていた。そんな中でセーラー服を着てみるシュン。男の子たちは悪ふざけの限りを尽くすが、すぐに飽きてしまい、沈静化する。みんな忘れた頃に、シュンはひとりセーラー服を着て登校する。「ボクが着てみたいんです」と。シュンは女の子の服を着ることに目覚めてしまったのだ。動揺するクラスメイトや先生だが、一番動揺したのは、幼なじみのボーイッシュな女の子だった…。

 とまあこんなオハナシです。こういったオハナシの構造だけでブッたまげてしまいますが、いちいち小ネタが効いているんです。幼なじみの女の子はボーイッシュなものですから同性に告白されたりします。またふざけた男の子たちが女性用スク水を着るサービス(?)シーンがあります。シュンと幼なじみの子が服を取り替え、「あるべき性」を想像するイメージシーンもあります(写真)。なんといってもすごいのは、シュンと幼なじみの子は、ハンドボール部でかっこいい男の子をともに好きになってしまうのですが、おそるおそる告白したところ、実は先輩(当然男性です)と付き合っていると返したことですね。ホモキター!!!!と完全にひっくり返ってしまったことですよ。

 リアル「ゆびさきミルクティー」「放浪息子」キター、とひとり興奮していたわけですが、NHKはそのはるか先をやってくれました。加えてこの作品は、実際にあった投稿を元に作られたとのこと。現実はすごいです、母さん…。

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巌窟王8

 初っぱなからアルベールきゅんのシャワーシーン(Kraftwerk?)とペッポたん登場でつかみはオッケー。アルベールにぐりぐりされてもの凄く幸せそうな(としか見えない)フランツ、最初からその手の人にしか見えないカヴァルカンディ公爵と、小ネタを確実にキメてくれます。伯爵の復讐が本格化しているために、やおい萌えシーンは脇に回るか…と思いきや、最後の最後でやってくれるではないですか。一枚も二枚も三枚も四枚も五枚も上手な伯爵と、それに気づかぬ子爵の子犬っぷりのコントラスト! そして中田ヴォイスのエロエロさ! いい意味で期待を裏切られまくりです。このエロさ、なまめかしさ、そして黙示的だからこそ顕在化する「男どうしのエロス」描写は、おたく男性たちの間にも受け入れられて来るんじゃないでしょうか。実際本スレでも「目覚めた」人が増えているようですし。こういう作品から、ホモフォビアの風穴があいてくるのかもしれません。

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紺野キタ「SALVA ME」

 なにかと「ホンモノ度」が高い作家なので、常に注目していたのですが、またも単行本が出ましたよ。で、読んでみたのですが…

 ぶっ倒れるかと思いましたよ。

 だって、なぜって、ギムナジウムものですよ? この平成の御代に? しかも登場するのは日本人ですよ? 半ズボンですよ? ストーム(先に在籍するものたちが新入生をみんなでかつぐ)ですよ? 伝説の美少年ハァハァですよ?
 ギムナジウムもの以外でもなかなか強烈で、女装しているけど女の子が好きな男の子(ブリーフ着用)ですよ? 男の園に入り込む金髪美少女ですよ? 一歩引いてみればありえないことおびただしいのですが、紺野キタはそれを見事に「成立」させています。なんちゅう力技! そしてこの萌え要素満載の状況たるや。どうなっているんですか!

 …とまあちょっと落ち着いて。どうしてそれが可能なのかと言えば、紺野キタという作家が徹底して「純粋さ」を志向してきたからではないか、と思います。もちろんやおい的萌えの前提となっている「妄想」はあるのですが、その妄想を実体化させる際に、純粋化の方向に向かっているのが他の作家と違っているのですね。やおい女子は妄想を描く際に、基本的にはハァハァできるように描きます。そして描写はどんどんくだらない方に、ダメな方へと向かっていくことになります。この点は、描くものこそ異なれ、男女のおたくでまったく変わらないところですね。男性の場合、行くところまで行ってしまったのが「シスプリ」や「双恋」であり、女性の場合はCJミチャルスキーの作品がそれに当たるでしょう。エビ少年って…。まぁそれはともかく。紺野キタの場合は、24年組から受け継いだ「純粋性」を描くことによって、その妄想を昇華するのですね。それに加えて、現代的な性愛描写もそれとなく取り入れる。ですからある意味反動的・懐古趣味的ではあるのですが、これはこれで「新しい」表現なのだと思います。

 また強烈な百合ものも描いて頂きたいんですがねぇ。

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百合姉妹 Vol.5

 百合オンリーの雑誌も順調に5号目。やはり女性の手による百合作品はホンモノ度が高くていいですな。まあ巻頭の蔵王×影木の作品は賛否両論アリアリなんでしょうが、私はこれはこれでありだと思います。ボーイズラブだって、女の子が出てきた方がずっと深みが増しますから。また林家志弦はもう絶好調。気合いが入りすぎたのか、密度が高くなりすぎて読みにくい部分もありますが、それは調子がよい証拠でもあります。また、これまであえて避けてきた直接的な接触も描かれています。これまた賛否両論あるのでしょうが、それを望む女性も間違いなくいるのでしょうから、ありなのだと思います。男性側の性欲にまみれないよう気をつけなければならないのだと思いますが。
 ただ、いただけない作品もあります。藤枝雅の作品ですね。前号の段階からすでに「こりゃニセモノだ」と思っていたのですが、今回さらに化けの皮がはがれたというのでしょうか、まったく百合としては問題外の作品になっていると思います。私は女性ではありませんし、百合の本質をつかんでいるわけではありませんが、それでも百合の良さが「同性に対する押さえきれない思い」「女の子どうしの心と心のつながりあい」にあることは分かります。ところが藤枝は、女性どうしが惹かれあっていく描写を、男性的萌えアイコンでごまかしてしまいます。紬がレティのことを好きになると、台詞では書かれていますし、運命の赤い糸というギャルゲー的アイコンでで示されていますが、「なぜ紬がレティのことを好きになるか」ということは、まったく描かれていません。そこにこそ百合のおもしろさがあるのに! おそらく藤枝は、百合のことを表面的にしか分かっておらず、単に「きれいだから」「かわいいから」好きであるにすぎないのだと思います。
 で、こうした作品を載せることは、実はかなり不幸な結果を生むのではないかと思います。現在の百合ブームを支えている原動力になっている男性読者は、藤枝の作品を見て、「男性的萌えでも百合は語れるじゃないか」と思うでしょう。萌え文脈を持っている男性読者にとっては、藤枝の絵柄も萌え要素も描き方の文法も慣れ親しんだものですから。ですがそれは、女性が考えている百合とは違った、表層的で、薄っぺらで、形式だけを借りたものでしかありません。そうなると男性と女性との間にある、百合の認識に対するずれが、よりいっそう広まってしまうおそれがあります。それは女性にとっても男性にとっても不幸なことではないでしょうか。
 …とにかく、男性読者を意識するあまり、男性受けしそうな作品を、内容を吟味することなく載せてしまったということは、鋭く糾弾されてしかるべきだと思います。電撃大王的な路線などは狙わなくても良いのです。ホンモノであればあるほど、描かれる思いが切実であればあるほど、現在のおたく文化に与えるインパクトは強くなると思いますし、「芸術」としての価値も高まるのだと思います。

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巌窟王7

 キ、キ、キ、キター!! フランツがとうとう動きましたか! はたから見れば丸わかりなのですが、それでも節制することを忘れず、直接的な感情表現を避けているところに激萌えではないですか。「この思いを伝えたい、しかし伝えてしまうわけにはいかない」という描写。一方アルベールはまったく気づかずいつもの極楽蜻蛉。すげえ緊張感Death! やおいの醍醐味ここにありDeath! 原作通りの復讐劇を進めつつ、ちゃーんと萌えシーンを組み込んでくださるのですから、もうタマリマセヌという状況です。
 あとは伯爵とエロイーズの濃厚なファックシーンに当てられてふらふらしておるアルベールきゅんといったところでしょうか。小説的オハナシの盛り上がりに加えて、萌えもまた強烈。なんて素晴らしいんだ!!!!!

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巌窟王6

 原作に忠実なエピソードとなると、どうしてもオハナシの動きが中心になってしまい、萌えは少なくなってしまいます。今回の萌えどころは、ユージェニーに対して無邪気に、それでいて熱っぽく誘いかけるアルベールきゅんのお坊ちゃんっぷりといったところでしょうか。フランツもちょっとしか出てきませんでしたし(ただ、そのわずかな登場時間でも、ちゃんとアルベールへの思いがこもったような仕草をしていたのがさすがでしたが)。
 ただ、やっぱり総合的なビジュアルの完成度には圧倒されますね。今回は日本人スタッフによる原画だったせいもあるのかもしれませんが、3Dで作られた背景と動きが実に面白い組み合わせとなっていて、これまでのアニメ作品とはまったく異なった印象をもたらしています。またオハナシの動きもいいですね。あの時代の大河小説は、どれもこうした盛り上がりを持っていたもの。その大きさにドキドキするというものじゃあないですか。

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巌窟王5

 ここのところ巌窟王オンリーになっているこのブログですが、まだまだ行きます。
 オハナシが次第に核心の方へ向かっているためか、全体的な萌えはトーンダウンといったところでしょうか。また思わせぶりな予告があったわりには、夕日のシーンはおとなしかったですし。
 ですが細部には萌え要素が確実に入れ込まれており、スタッフの力の入れようが感じられます。アルベールが水に落ちたときに血相を変えてうろたえるフランツ。ユージェニーの問いに首をふるふるさせて応えるアルベール。水に飛び込む伯爵のエロさ。そしてなによりエロスとタナトスとは表裏一体であるということがまざまざと感じさせられる決闘シーン。細かく見れば見るほど萌えが組み込まれていることが分かります。
 今後はもっとオハナシが動いていくのでしょうから、2話のようなすごい801エロ展開は望めないのかもしれません。ですが今回のように、オハナシを縦糸、萌え要素を横糸のように含み込ませていくことは可能でしょう。見れば見るほど細かい発見がありニヤリとする、というのも良いではないですか。期待したいところです。

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