女体化のガールフレンド
以前から801板のスレッドで気になっていたのが、「女体化」という現象です。やおい的関係において、受けを女性の身体で描くというものです。たとえば「エヴァ」のシンちゃんを女の子として描いたりとか。私はずっと、腐女子の皆さんの脳の腐りっぷりが極限化したところに、女体化は現れると思っておりました。女体化スレによると、ジャンルの終盤に女体化はよく現れるといいます。ということは、普通のやおい関係では萌えが弱くなってきたために、既存の関係から新しい萌えを見いだすために、女体化という「さらなる抽象化」が行なわれるのではないでしょうか。やおい関係を生み出す妄想力より、一段階強力な妄想力が働いているのではないでしょうか。確かにパロディなどにおいて、受けが「心は男のままで身体だけは女」となるのは、激しくモエルのでありまして。自分の女体性に気づかずに無頓着に胸とかさらしたりして、まわりの方が真っ赤になったりするのでありまして。はじめてのブラとかはじめてのセイーリとかに戸惑ったりするのでありまして。例えば
手塚部長
とかが! …むむむ…ももも…もも萌えー! ともかく同人女性の「クィア化」が先鋭的な形で現れたのが、女体化ではないかと考えていたのです。
ところが実際詳しい方にお話をうかがうと、もっと低年齢層の人が入り込んでいるというのですね。ティーンズラブなどのヘテロなセックス描写が可能になってきたことが背景になっているのですが、要はやおい関係のような抽象化の段階まで至らず、原作に出てくる男・男関係を、男・女関係になぞらえて描いてしまうのだというのです。「この子かわいいから女の子にしちゃえ…そうすればエロも自然に描けるし」という。半ば以上同人化を前提とし、ホモセクシュアルの方へ誤読されることが前提となっていた男・男関係を、ヘテロセクシュアルな方へ誤読することが行なわれているのだというのです。
そんな疑問を解明するために、6月5日の日曜日は女体化イベントに行ってきましたよ。「鋼の錬金術師」のエド女体化オンリーで、題して「鋼鉄のGIRL FRIEND」。スペース数は80ほどで、整理券が必要な入れ替え制。そりゃまあ盛況なわけです。会場はほぼ女性だけで、男性客は私を入れてわずか3人。私は必要があってスーツだったものですから、浮いていること浮いていること。圧倒的に女性が楽しむイベントだということを痛感しました。そこで分かったことは次のようなことです。
・ロイエドかと思っていたらアルエド多し
・まんがと小説が半々
・描写は男性向けもかくやと思えるほどハード
・はっきりした女体に対する萌えあり
・シチュエーションや胸の描き方は本当に多様
・男女関係になぞらえてしまう人もいるが、質の高いものはそんな感じではない
・パラレルもありあり
・個人的には性格が原作通りの方が萌える
意外だったのが最初の項目で、私はロイにさんざんに変態的行為を迫られるエドが多いのでは、と予想していたのです。ですが実際は、かなりアルエドが多い印象を受けました。「兄さん」が「姉さん」になるわけです。で、「姉さん」になってしまったエドとアルの関係…当然エロティックな関係…が描かれるのですね。
それから驚いたのが、エロシーンの濃密さです。男性向けもかくやという直接的な描写が多いのですね。男性が見ても抜けそうなエロシーンが多いのです。この背景にはきっと、男性向けエロとティーンズラブが、女性の間にも浸透してきたことがあるのでしょう。またシチュエーションや、女エド=エド子の描写は、様々なバリエーションがあります。一番分かりやすい例が胸の描き方でしょう。貧乳が多いかと思えばさにあらず。美乳、豊乳、巨乳、微乳と、実に様々なんですね。そしてセックスのシチュエーションも多様です。オートメイルをわざわざ外してアルと中出しセックスするのが好きな姉さん、という本には、危うく愚息昇天しそうになってしまいましたよ。このように多様ではあるのですが、一つ共通しているのは、女体に対する萌えがあることです。作家たちは、明らかに女体を描くことに喜びを見いだしているのですね。女体を描きたいから女体化する、という動きも、かなりあるのではないかと感じられました。
一方、現実の男女関係のアナロジーとして女体化を描く、という動きについては、ちょっとよく分かりませんでした。立ち読みをして、絵が上手い作品や萌えるシチュエーションがある作品ばかりを買ってしまったものですから。このことについては、もっと読み込んでみる必要があるかな、と感じています。ただ、上手い人たちにおいては、「やおいとは別腹」で楽しんでいるようなフシがあるように思いましたね。女体萌えがまず強く表れますから。これまたもう少し調査が必要だな、と考えています。
女体化は、ひろーい目で見れば、やおいの文脈に入るのではないかな、と思いました。なんたって女性オンリーのイベントですから。それにベースになっているのは、明らかにやおい文化です。ですが、なんだかそれとはまた別の楽しみが存在し、いままさにそれが立ち現れてきはじめているように思いましたね。
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