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うぎゃー釣られたー

 うぎゃー、結局まんまと釣られてしまいましたね。

 かなりかーっとして書いたものですから、言い過ぎな面、思いこみが走りすぎた面がありましたね。これだとほとんど「私怨乙」ですなあ。

 「オタク女子研究」は、結局良くも悪くも一石を投じる本だったのですね。ちと頭を冷やして、考え直してみたいと思います。

 今のところ考えているのは、「代表権」の問題ですね。なぜ私がこうも反応したかというと、「こんなに事実がデタラメな人に、腐女子代表としてメディアに出てきて欲しくない」という思いがあったからです。その裏には出し抜かれたという思いが間違いなくあります。まあそういう個人的なルサンチマンがあったのは否定できません。まああとは男オタに対する揶揄ってのも大きいんですが。

 まあそういうことを含めて、「なぜ私は怒ったのか」「よい点はなにか」「問題点はなにか」を、冷静に考えていきたいと思います。

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原書房編集の投稿

 もういい加減「オタク女子研究」について考えるのはやめようかと思っていたんですが、編集の人のこんなコメントを見て、また血圧が上がりましたよ。

http://www.harashobo.co.jp/editor/bbs/mbbs.cgi

 第一のツッコミどころは、「皆様の話のネタとなれば」の部分。ネタじゃすまされないんだって! 隠れていたい人を興味本位で掘り返すのって、倫理的問題が発生するんだって! 以前も書きましたが、この恐るべき無神経さには、空恐ろしささえ覚えます。

 第二のツッコミどころは、「自虐系ギャグ」のところ。ギャグだったの、この本?ギャグならばきちんとギャグと書くべきです。それにこの文の背後には、「ギャグなんだから真に受けないでね」という逃げがうかがえます。ですがギャグだからといって、間違ったことを書いていいという免罪符には絶対になりません。間違った情報を載せて、それを「ギャグ」と言い切ってしまえる神経には、再び空恐ろしいものを感じます。この編集者は、職業倫理というものを考えたことがあるのでしょうか。本というものは、堂々と嘘をついていいメディアだったのでしょうか。
 そしてこの文には、「ギャグを分からない人がいる」ということが前提となっていますが、この言葉遣いはどうでしょう?「ギャグを受け付ける人」=センスやシャレの分かる人、「受け付けない人」=シャレの分からないダメな人、という気持ちがはっきりと現れています。お金を払って買って読み、感想をあげている読者に対してこうした言葉遣いができるわけですから、相当なものだといえます。「誠実さ」を本当に疑います。本というものは、著者や編集の意図に沿って読まなくてはならないものなのでしょうか?著者や編集は読者の意見を100%受け止めなくてはならない、とは言いませんが、それにしても読者をナメすぎではないでしょうか?

 第三のツッコミどころは、「ひれ伏すばかりですが」の「が」のところです。「題名に偽りあり」を自分で認めているようでいて、よく分からない理由を持ち出して、結局認めていません。裏を返せば、「題名にダマされた読者が悪い」と書いているようなものです。ここでも職業倫理や、「誠実さ」の問題が起こってきます。批判のいくつかは「題名に偽りあり」ということを批判しているのですが、そうした至極真っ当な批判をまともに受け止めていません。そしてよく分からない理由で反論をかわそうとしています。これは、ひどく読者をバカにした態度ではないでしょうか?

 そして一連の文章から見えてくるものは、「ギャグが分からない人」を低く見る視線です。「シャレが分からない人はヤボだ」という視線が一貫しており、「そういう人に評して欲しくない」という姿勢が見えます。これは読み過ぎかもしれませんが、編集の頭に想定されているのは、視野の狭い頑迷なオタク(男も女も)なんでしょうね。
 こちらはスマートに現状を分析しているのに、オタクたちは枝葉末節にこだわって、細かい部分でこの本を批判している。重要なのは細かいところじゃないから、ギャグとして読んでね。この文章の背後にあるメタメッセージは、こういうものでしょう。まさに馬脚を現したといえましょう。オタクを対象化し、そこでちょっと面白いことを言い、自分たちの地位を高めようという姿勢がはっきり現れています。結局愛などないのです。オタクを、腐女子を「消費」することに対して、なんの気持ちも抱かないのです。これを搾取と言わずしてなんというのでしょうか。

 著者も相当なものですが、こりゃ担当編集も相当なものです。これははっきり声を上げなければならない、と覚悟しましたよ。

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再録:「オタク女子研究」

 杉浦由美子「オタク女子研究」については、「一日一やおい」の方に論考を載せてきましたが、あちらは萌えを語り、楽しくやおい本を分析する場。そこでこちらに論じる場を移すことにしました。

 場を移すに当たって、「一日一やおい」の方で書いた最初の論考を、こちらに張っておきます。新しく考えたことも、どんどんアップしていくつもりです。ちょっとぎすぎすするかもしれませんが、よろしくお願いします。

<ここから転載>
 正直なところ、もっとも恐れていたことが起こった、という感じです。
 テレビなどで「乙女ロード」が取り上げられるようになってから、ずっと懸念していたことがありました。それは、メディアによっておたく女性が白日のもとにさらされ、間違った紹介をされ、好奇の視線にさらされ、結果として女性の表現に大きな障害が生まれるのではないかということです。私は女子じゃないので言える立場にないのかもしれませんが、女性向けコンテンツを大量に摂取し、楽しみ、分析している身。原告適格を認めていただきたいものです。

 で、この本ですが、
「裏をとってる情報が非常に少ない…印象や一般化できない例で語っている」
「2ちゃん情報を鵜呑みにしている」
「そもそも間違いが多すぎる」
「腐女子の多様性を無視し、単純なものとしてカテゴライズしようとしている」
 という、重大な問題を抱えています。AmazonとBK1の書評で書いたので、ここでは繰り返しませんが。

 腹立たしい点は二つあります。ひとつは自分のことを「腐女子」と言っておきながら、実は腐女子を批判し、さげすんでいることです。よくもまあ「腐女子は受攻の二元論で世界を切り分ける暴力的な考えを持つ」なんて書けるものです。自分自身を否定したいのでしょうか?こういう視点は自分を腐女子というカテゴリの外に置かないと出てきません。ですが、「私も腐女子なので」と、内部から語る形を取ることで根拠づけようとしています。そもそも著者の立ち位置が非常にずるいものなのです。
 もうひとつは、この本によって間違った考えが世に広まり、その結果女性おたくたちの表現活動や妄想が制約される可能性がある、必死で守ろうとしているものが踏みにじられる可能性があるということです。本として出版される以上、この本の内容を信じる人は出るでしょう。実際「腐女子という人たちのことが分かった」という感想を残している人もいます。ですがこの本に書かれた情報は、腐女子と呼ばれる人々の中の、ごく一部を表しているに過ぎず、そうした存在が腐女子の本質を突いているかといえば、決してそうではありません。そしてそれ以外の腐女子は無視されており、その点で実際のあり方とは異なっています。この本は間違った面も多く持っているのです(すべてを否定するつもりはありませんが)。そして間違った情報に基づいて、女性おたくたちは扱われるかもしれません。またこれまで表に出ないように必死に隠していたものが、白日の下にさらされるかもしれません。この本のナマモノ同人についての言及は、ナマモノ同人の活動を封殺してしまう危険性をはっきりと持っています。「バラしてほしくない」ことを、それがどのような影響を及ぼすか配慮せずに、白日のもとにさらしているのですから。ジャンル特有の禁止事項を守れない人が大量に押し寄せることによって、ジャンルが崩壊するかもしれないのです。取り上げられる芸能人の肖像権侵害や、パロ対象の著作権侵害という問題はあるのですが、それがあるからといって、著者の行動が正当化されるわけではありません。それとこれとは別の問題です。
 この著者は面白おかしく女性おたくたちのことを書いたのかもしれませんが、それは実際に表現活動や個人の行動に悪影響を及ぼしかねません。著者と出版社の思慮の足りない行動は、本当に良識を疑います。興味半分で面白おかしく本を書くことで、被害を被る人がいるということに気づかなかったのでしょうか?

 トンデモ本と笑い飛ばせればよいのですが(実際内容的にはかなり重度のトンデモ本ですが)、具体的な悪影響があるので、笑っている場合ではありません。
 また、著者はこの本を「ライフスタイルの本だ」とカテゴライズしようとしているようです。実際女性向けライフスタイルの本では、記述に根拠がないものが多く、女性の感性に合致すればそれでよし、という本が見られます。ですがそうした本の形式を取ったからといって、間違った記述をしたり、ある特定の人々を「こうである」と決めつけたり、誰かの創作活動を妨害してよいということにはなりません。「ライフスタイルの本である」とカテゴライズすることは、絶対に免罪符にはならないのです。

 杉浦さんの本意をぜひ聞いてみたいところです。

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杉浦由美子「オタク女子研究 腐女子思想体系」

Dsc01724
 いろんな意味ですごい本です。よくもまあ…。

 てなわけで「一日一やおい」の方に批判文をアップしました。

 私は普段はケンカはしないんですが、愛するものがひどい扱いを受けるというなら話は別です。

*ちなみに写真で折ってあるページは、「ツッコミどころがある」と感じたページです。

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ぢぇいの庭

 12日は創作June系即売会・J-Gardenに行ってきましたよ。このところ私の主戦場はやおい漫画。しかもJ-Gardenは創作オンリー(June掲載作品だけはパロOK)の即売会じゃないですか。創作オンリー即売会のコミティアから優れた作家が多く輩出したように、J-Gardenからも多くの優れたやおい漫画家が出てくるに違いありません。そこでかなり気張って出かけたのでした。

 買った作家をざっとあげてみましょうか。オオモリユカ、びっけ、かいやたつみ、藤本ハルキ、大竹直子、楽田トリノ、ちゃい、北別府ニカ、小鹿涼太、カメイ与五郎太、明治カナ子、京山あつき、野垣スズメ、トジツキハジメ、すずはら篠、高田ゆうき他。

 中でも特によかったのが、大竹直子、びっけ、高田ゆうきですね。他の作家もよーく選んで買ったので、みんないいんですけど。大竹直子は例の日本陸軍もの。「白の無言」のキャラが出てくるんですが、「白の無言」はあんなに痛切な話なのに、これはもうギャグなんですね。舌をれろれろさせてます。陸士の学生が!
 それからびっけは現代日本物。今までファンタジーものばかり読んでいたのですが、日本物もいいじゃないですか。絵の柔らかさはやっぱりいいです。
 そして今回激しく発見したのが高田ゆうき。これがなんとビルゲイツ本なんですね。ちっちゃくてカワイイゲイツが、SJとあんな関係やこんな関係になってしまいます。当然若い頃の話です。リアルで想像するとかなりものすごいものがあるんですが、漫画はこれがまあ上手なんすよ。絵もヒジョーにニューウェーブですし。オノ・ナツメや草間さかえに続く、私的に第三の大ヒットです。

 サンシャインを出たあとは、マイミクのお姉さんたちと待ち合わせ、乙女ロードやとらのあなをさんざんに懲らしめた(懲らしめられた)のでした。女性陣にはとらのあなが思いのほか好評。そりゃあ普段あまり行かないところでしょうから。それにしても池袋とらのあなの3階、4階にも、随分女性が増えたものですね。以前はフロア的にも、感覚的にも、はっきりと分かれていたものでしたが。なんか如実に越境は進んでいるんだなぁ、と実感したのでした。

 その後はモンテローザグループの照明が暗い飲み屋で打ち上げ。結構静かに飲んでいたのですが、途中から隣に若者のグループが入ってきて、これがまあうるさいのですよ。特に酔った未成年の姉ちゃんがうるさいうるさい。常に怒号レベルでしゃべるのです。若者はつぼ八とか清瀧とかに行ってほしいものですが、近くにいるだけで疲れてしまうので、さっさと退散することにしたのでした。

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大和ミュージアムと松本と

 広島最終日は、呉の「大和ミュージアム」に行ってきました。朝からあいにくの雨ですが、雨もまたしっとりしていいものです。
 さんざんに再開発された駅を通り、ミュージアムに。いきなりエントランスにでっぷりしたちんこ丸出しの像が飾ってあるのが気になります。海神ネプチューンの像なんですが、これがあまりにも豊満なんですね。でぶ専の人にはタマラヌものがあるでしょう。中の人がこんなのばっかりだったらイヤだなあ、と思いつつ、ミュージアムに入ったのでした。
 ミュージアムに入ると、最大のウリである10分の1大和がどどーんと見えるようになっています。純粋な大きさは映画のセットに及びませんが、精密感はこちらがはるかに上。この模型の製作秘話を新書で読んだことがあるのですが、苦労は並みではなかったでしょう。しかも日本中の軍オタの目にさらされるわけです。まあ私はそれほど大和のことには詳しくないのですが、それでもこれなら納得、という出来なのでした。
 展示第一部は、軍港の街呉の成立と発展の歴史でした。それまで製塩の街であった呉が、いかにして日本最大の軍港となり、最大の戦艦大和を建造するに至ったかが、世相の変化とあわせて展示されていました。ここでの大物展示は、戦艦金剛に搭載されていたボイラー。近代化改装の際取り外されたものの、平成5年まで東京の国立機関で暖房用ボイラーとして使われていたとか。展示のものはレプリカくさかったですが、大正時代のボイラーが、しかも戦艦に使われていたものが、平成の御代まで使われていたとは! その事実にびっくりしたのでした。あとは長門、摩耶、赤城などの精密な100分の1模型がたくさん展示されており、これを見るだけでもいい感じなのでした。
 展示第二部は、大きなホールに置かれている回天、咬龍、零戦63型。レストアした実物なので、迫力は満点。「零戦は翼の一部が布張りなデリケートなものなので触らないでください」と書いてあるのがなんだかしみじみします。帆布張りといっても動翼の一部なんですけどね。しかしそれにしても零戦はでかいです。戦闘機といえば機体を極限までコンパクトにしたものという印象があるのですが、長さも幅も10メートルほどあるわけですから、でかいのは当然です。このでかい機体を1000馬力ちょっとのエンジンで動かし、しかも63型ですから機銃を増やしています。こんな大変な機体で戦ったんだなぁと、当時の戦況の切なさに思いを馳せたのでした。このあたりまでの展示は文句なしに大満足。窓からは自衛隊の大型艦が入港してくるのも見えますし。

 ところが展示第三部が振るっているのですよ。大和つながりということなんでしょうか、松本零士先生の作品を展示しているのですね。当然そこだけ松本メーターがたくさんですよ! アナライザーがお出迎えしてくれますよ! 著作権問題で絶賛連載中断中の「新宇宙戦艦ヤマト」も展示されてますよ! あのへろへろの絵柄で!
 加えて15分に一度ほどの割合で短編アニメを流しているのですが、これがなんだかすごいのです。全編3DCGです(ここ重要)。主人公は火星の宇宙アカデミーで学ぶ少年。火星がいかにしてテラフォーミングしたかを知るために図書館に来るのですが、あいにく休み。そこにぴっちりした服の松本美人が現われます。特別に火星の成り立ちを教えてア・ゲ・ル。私についていらっしゃい…ということで、ホログラムの宇宙船に乗って、水の源となる彗星を捕まえに行きます。首尾良く彗星をビームみたいなので捕まえることに成功するのですが、装置が故障して、このままでは火星を水の星にすることはできなくなってしまいます。そこで少年は宇宙船の外に出て、部品を交換することにします。ギリギリのところで部品交換に成功。火星には彗星からもたらされた雪が降り始めます。こうして少年は火星を救ったのでした…という内容です。ちなみに美人の声はクレジットされていませんが麻上洋子。メーテルのあの人です。
 なんたってホログラムの疑似体験が、いつの間にか本当のことになってしまっているのがステキです。他にもツッコミどころはたくさん。お前ただ部品入れ替えてるだけじゃんとか、重力が少ないなら大気がとどまってられないだろとか背が伸びるだろとか。それにキャラクターがいい感じなんですよ。松本キャラが立体化しているんですよ? 平面でもハタ(ry しているあのキャラが、立体になるとどうなるか…なんの悪い冗談だろう、と思えるキャラになるのですね。具体的には美女の睫毛とか、少年の口とか。美女の髪の毛はそういうソフトでささっと作っただろ、というポリゴンの少ないもの。うわー、もにょー、と感じてしまうのですね。ですが胸のあたりは非常に細かく作ってあるらしく、うっすーくビーチクが透けて見えるように感じます(本当に微妙にですが)。そりゃ当然そういうところに力を込めるのはアリなんですが、リソースの注ぎ具合のアンバランスさに、さらにもにょーとしたのでした。
 ただそれも著しい「まぬけ美」を醸し出しているのでありまして。そういうのが好きな人でしたら、よりいっそう楽しめるわけです。全体的にはヒッジョーに楽しめるミュージアムだったのでした。これで500円は安すぎです!

 その後は呉の街を散策。軍港の街だけあって、道が広いのにはびっくり。またあちこちに「自衛隊指定」の店が。うーん、雰囲気があります。また甘いものが多いんですね。名物のフライケーキ(熱々のあんドーナツ)、びっくり饅頭(要は今川焼)、蜜饅頭(ハチミツの香りの甘ーいまんじゅう)、全部食べましたとも! お茶が激烈に欲しくなりましたが。鎮守府長官邸、自衛隊地方統監部の建物も回り、軍港・呉を堪能したのでした。

 やっぱり旅行はするものですねぇ。「その街でしか知ることができないもの」「その街でしか味わえないもの」に直接触れることができますから。トポスの独自性や良さというものを、強く感じた旅行だったのでした。なんかイマジネーション湧きまくりです。

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大和とウサちゃんと

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 今朝は朝イチで「男たちの大和」撮影セットへ。開場の9時に着くように宿を出たものの、もう結構行列ができていました。大人気じゃあないですか。まあそれでもスペースはあり、写真などはふんだんに撮ることができたのでした。それにしても大和はやっぱりでかいです。甲板の広さや主砲の大きさなどは相当な迫力があります。細かい部分、特に25ミリ3連装機銃や12.7㎝高角砲などはあらが目立ちましたが、まあまあなレベル。それよりも15㎝副砲の細かさに感動したのでした。セットの見学が終わると、撮影の小道具や撮影風景を展示した場所へ。なんか集会所を改造したような場所で非常に古く、床がぎしぎしいっています。昭和30年代の建築といったところでしょうか。造船産業が華やかだった頃に作られた建物と思しく、なんか趣深かったのですね。そこでおみやげも売っていたのですが、これがなんともふるっているんです。そのへんで売っているおみやげに、大和のシールが貼ってあるだけとか、売れ残りの大和の食玩を売っていたりとか。商売上手だこと! それから大和にまつわるお菓子も売っていました。その名も「大和の風」と「砲弾餅」。前者はあんこ入りのよもぎ餅で、後者は長細い餅。ぜんぜん関係ねー! あまりに衝撃的で、かつ冗談のような値段だったので、つい買ってきてしまったのでした。これは「いやげ物」として活用しようかなと思います。それにしても尾道は本当に「大和」と「かみちゅ」で特需でしたね。これを超えるためには、1分の1大和(中身まで全部再現)を作るしか方法がありませんが、もし作ったとしたなら、相当な集客があるのではないかと思いましたよ。

 大和を見た後は尾道を離れ、旧日本軍の毒ガス製造場があったという大久野島に行ってきました。広島観光も良かったのですが、もう何度か行ったことのある場所。そこで普通では行かない場所に行ってみることにしたのです。呉線の駅から船で15分ほど。本土から目と鼻の先にある島で、戦時中はイペリット、ルイサイト、青酸などが作られていたというのです。現在は休暇村になっていて、リゾート地になっていますが、毒ガス記念館や遺跡がいくつか残っているとのこと。非常に興味を惹かれたのです。
 船から降り立ってみると、至る所にウサギ、ウサギ、ウサギ。大久野島は「ウサギの楽園」としても知られていて、おびただしいウサギが放し飼いになっている、ちゅうか自然繁殖しまくっているのです。そのために子ども連れが結構来ていましたね。加えて人の足音がすると、「エサくれー」とばかりにぴょこぴょこ寄ってくるのです! やべえかわええ!
 衝撃を受けた後は休暇村本館で食事を取り、レンタサイクルを借りて島内を一周してみることにしました。するとあちこちにあるのですね。火炎放射器で焼かれたままの元毒ガス貯蔵庫や、弾薬庫が付いた砲台の跡などが。島内を一周する道路は、もともとこの島を防御し要塞化するために作られた物を元にしています。戦争遺跡があるのは当然なのです。なにより印象的だったのが、3階建てでガラスが破れ放題になっている発電所の跡です。ここも火炎放射器で焼かれているのですが、炭を使って壁にいろいろ落書きがされているのですね。中には「もう死にます」と書かれているのがあったりして、実に趣深くなっています。ただでさえかなりレベルの高い廃墟ですが、それにそんなことが書いてあったら…。ドキドキしてしまうというものじゃないですか。加えて廃墟の中にもかわいらしいウサちゃんがいらっしゃいます。シュール極まりない光景に、つい時間を忘れてしまったのでした。また毒ガス記念館には当時使われた器具がそのまま展示されていて、また被害の様子などが展示されていて、非常に衝撃力がありました。これで入場料が100円なのですから安いものです。
 はっと気がついてみると船が出る時間まであと15分。急いで桟橋まで向かい、なんとか飛び乗ることに成功。そしたら電車の時間もぎりぎり。走って駅に向かって、これまた飛び乗ったのでした。

 夜は広島の、原爆記念館近くのホテルに宿泊。街にくりだして広島の地酒をかなり召し上がり、酩酊して宿に帰ったのでした。ちょっと年齢層が上向けの飲み屋で飲んだのですが、そこのお兄さんが言うことには、日本酒ばかりを飲む人は珍しいとのこと。その店だけかもしれませんが。その店ではさんざんお酒を飲んだせいか、ちょっとサービスしてもらったりして、実に満足感の高い夜だったのでした。

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尾道はかみちゅの街

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 休みを取って尾道の街に来ています。尾道といえば、大林宣彦監督の「尾道三部作」「新尾道三部作」の舞台。そういや「時をかける少女」は、映画館で5回は見たものです。当時とり・みきにめちゃめちゃハマってましたし、同じ映画を何回も見ることがカッコイイという価値観がありましたし。ですからいつか必ず来てやろうという野望を抱いていた街だったのです。
 でも今は、尾道といえばなんといっても「かみちゅ!」ではないですか。貧乏神の話とか火星人の話とか大和の話とか、いろいろもにょる話はありましたが、尾道の街を舞台にゆったりとした雰囲気を描いていた秀作でした。文化庁メディア芸術祭アニメ部門で、長編部門の優秀賞を受賞しましたが、まあ妥当といったところでしょう。特に2話とか3話とかがいいんですね。特徴ある町並みがよく描かれていて。
 そこでわざと予備知識を入れずに、街を回ってみることにしました。頼りにするのは市発行の観光マップのみ。ですがちょっと回るだけで出るわ出るわ。うわ、ゆりえ様の中学校が目の前にある! 1話でゆりえ様が叩いていた門が目の前にある!(ホントは小学校ですが) あ、これが八島様の神社だ! ついでにここは「転校生」で二人が落っこちた階段だ! 神社にはどうみてもそのスジの人が複数で来てる! 絵馬にはみんな「がんばる!」って書いてある! あ、これが神様御用達の渡し船だ! うひゃー!
 結局大林作品のことなどほとんど忘れてしまっていたこともあって、「かみちゅ!」の巡礼者と同じく、いやそれよりもはしゃいでしまったのでした。ちゅちゅちゅのちゅーです!

 で、こうしたことはまちおこしに非常に有力な武器になるんじゃないかな、と思いましたよ。ご多分に漏れず、尾道の街のメイン商店街は、イヤってくらいシャッター通りになってしまっています。しっかりした作りの銀行が多いということは、かつてこの街が素晴らしく栄えていたことを示していますが、今は悲しいくらいメイン商店街は流行っていません。ですが結構夜になってもおたくげな人のグループを多く見かけました。魅力的なコンテンツがあれば、巡礼者を呼ぶことは十分に可能なんですね。作品を作る側の才能、演出、そして誠実さが必要ですが、作品を受け入れる側の協力や「押し」も必要だと思います。アニメや映画のスタッフを呼び込んで、いい作品を作ってもらって、それを集客に結びつける。そうしたやり方は、かなり有効なのではないかと思えるのですね。実際尾道の場合は、フィルムコミッションの活動がかなり盛んなようですし。また最近のおたく文化の産物は、特定のトポスと作品を結びつけようとする試みが行なわれています。「コメットさん」の鎌倉、「おねがいティーチャー」「おねがいツインズ」の木崎湖/白馬/安曇野、「奥さまは魔法少女」の萩など。ギャルゲーが起源だと思うのですが、これはかなり作品に深みを加えます。こうした動きとうまくタイアップすれば、地盤沈下の進む地方も結構活性化できるのではないかな、と思いましたよ。「見るべきロケーション」が残っている地方でないと難しいとは思いますが。

 ところが尾道では「かみちゅ!」については、ほとんどと言っていいほど表に出てきていないのですね。映画記念館は小津安二郎のこととか、何故か吉永小百合の特集をやっているだけで、「かみちゅ!」についてはなにひとつ展示がなされていません。まあ、放送されていないので仕方ないとは思いますが、もったいないことだなぁ、と強く思いましたよ。

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