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原書房編集の投稿

 もういい加減「オタク女子研究」について考えるのはやめようかと思っていたんですが、編集の人のこんなコメントを見て、また血圧が上がりましたよ。

http://www.harashobo.co.jp/editor/bbs/mbbs.cgi

 第一のツッコミどころは、「皆様の話のネタとなれば」の部分。ネタじゃすまされないんだって! 隠れていたい人を興味本位で掘り返すのって、倫理的問題が発生するんだって! 以前も書きましたが、この恐るべき無神経さには、空恐ろしささえ覚えます。

 第二のツッコミどころは、「自虐系ギャグ」のところ。ギャグだったの、この本?ギャグならばきちんとギャグと書くべきです。それにこの文の背後には、「ギャグなんだから真に受けないでね」という逃げがうかがえます。ですがギャグだからといって、間違ったことを書いていいという免罪符には絶対になりません。間違った情報を載せて、それを「ギャグ」と言い切ってしまえる神経には、再び空恐ろしいものを感じます。この編集者は、職業倫理というものを考えたことがあるのでしょうか。本というものは、堂々と嘘をついていいメディアだったのでしょうか。
 そしてこの文には、「ギャグを分からない人がいる」ということが前提となっていますが、この言葉遣いはどうでしょう?「ギャグを受け付ける人」=センスやシャレの分かる人、「受け付けない人」=シャレの分からないダメな人、という気持ちがはっきりと現れています。お金を払って買って読み、感想をあげている読者に対してこうした言葉遣いができるわけですから、相当なものだといえます。「誠実さ」を本当に疑います。本というものは、著者や編集の意図に沿って読まなくてはならないものなのでしょうか?著者や編集は読者の意見を100%受け止めなくてはならない、とは言いませんが、それにしても読者をナメすぎではないでしょうか?

 第三のツッコミどころは、「ひれ伏すばかりですが」の「が」のところです。「題名に偽りあり」を自分で認めているようでいて、よく分からない理由を持ち出して、結局認めていません。裏を返せば、「題名にダマされた読者が悪い」と書いているようなものです。ここでも職業倫理や、「誠実さ」の問題が起こってきます。批判のいくつかは「題名に偽りあり」ということを批判しているのですが、そうした至極真っ当な批判をまともに受け止めていません。そしてよく分からない理由で反論をかわそうとしています。これは、ひどく読者をバカにした態度ではないでしょうか?

 そして一連の文章から見えてくるものは、「ギャグが分からない人」を低く見る視線です。「シャレが分からない人はヤボだ」という視線が一貫しており、「そういう人に評して欲しくない」という姿勢が見えます。これは読み過ぎかもしれませんが、編集の頭に想定されているのは、視野の狭い頑迷なオタク(男も女も)なんでしょうね。
 こちらはスマートに現状を分析しているのに、オタクたちは枝葉末節にこだわって、細かい部分でこの本を批判している。重要なのは細かいところじゃないから、ギャグとして読んでね。この文章の背後にあるメタメッセージは、こういうものでしょう。まさに馬脚を現したといえましょう。オタクを対象化し、そこでちょっと面白いことを言い、自分たちの地位を高めようという姿勢がはっきり現れています。結局愛などないのです。オタクを、腐女子を「消費」することに対して、なんの気持ちも抱かないのです。これを搾取と言わずしてなんというのでしょうか。

 著者も相当なものですが、こりゃ担当編集も相当なものです。これははっきり声を上げなければならない、と覚悟しましたよ。

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コメント

はじめまして、こちらから『オタク女子研究』に関して、2件リンクさせていただきました。

コミケの取材申込リストに原書房が入っていたのを見て、主に歴史書などの印象がある出版社がなぜに腐女子本を?との疑問はありました。(ハリポタの事典本も出してはいますが。)

また残念ながら、生モノ同人誌は昨年テレビ番組で一度すでに晒されています。オリジナルBLのみを扱っても、VTRを見ているスタジオの女性出演者が明らかに引いて、スタジオに持ちこまれずイロモノ扱いだけに終わった番組も今年ありました。

これらの番組が女性ファンを獲得したアニメには、全く無縁なテレビ局による製作ならまだしも、決してそうではないところが悲しいです。

投稿: siebzehn138 | 2006/03/26 16:50

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