« 杉浦由美子「腐女子化する世界」 | トップページ | SFのミーム »

JUNE神様

 17日土曜日はおたやお部会。JUNEの編集長だった方にお話を聞こうという会です。その企画だけでなんだか「うおっ!まぶしっ!」てな感じの豪華企画なんですが、実際にJUNE編集に関わっていた方々が目の前にいるわけでして…。本当に目がつぶれそうな貴重なお話をうかがうことができたのでした。

 JUNEは雑誌という形態を取っていたことによって、全国に広がる読者のつながりを作っていきます。それによって救われた地方の読者たちはどれだけいたことでしょう。パーソナルメディアがそれほど発達していなかった70年代末から80年代にかけては、全国に流通する雑誌というメディアは、人のつながりを作る上でも非常に重要だったことが分かります。そして小説道場から、あるいは投稿作から多くのプロを輩出している。JUNEはコミュニティでもあり、文化を生み出す場でもあったのですね。これは私が研究している他の投稿雑誌と全く共通しています。
 そして90年代を迎え、次第にJUNEは居場所を失っていきます。発表できる場は多様化し、パーソナルコミュニケーションメディアも発達してきます。その中でJUNEは役目を終えた、ということが分かり、ちょっとしみじみしてしまったのでした。ですがJUNEの遺したものは現在のおたく・やおい文化にものすごい影響を与えているわけでありまして。

 あと印象的だったのは、「掲載作品をどのように決めていましたか?基準はありましたか?」という問いに対して、歴代の編集長が「自分のなかの JUNE神様のささやきによりますね」と答えていたことですね。この名状しがたい「神様」が、JUNEという場を支えていたことが分かって、非常に感慨深かったのでした。JUNE神様がいるのなら、ゲゲボの神様やアウシタンの神様やハウサーの神様もいるわけでして、そしてその神様は形を変えてネットの海に潜んでいるわけでして。この神様の姿を素描することが、わたしの仕事なのだとはっきり分かりましたね。

 さてさて古本屋でJUNEを全部買いそろえないと。

|

« 杉浦由美子「腐女子化する世界」 | トップページ | SFのミーム »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/39430/13950922

この記事へのトラックバック一覧です: JUNE神様:

« 杉浦由美子「腐女子化する世界」 | トップページ | SFのミーム »